サッチェルバッグを背負うドラマの主人公と自分が重なって見えた

サッチェルバッグとの出会いは運命的でした。ちょうど、ザッチェルズのバッグが気になっていた時に、平手友梨奈さんがドラマでサッチェルバッグを背負っていたんです。しかも私が普段着ているようなジャケットに合わせて、忙しそうに走っていて……自分がこのバッグを使っているイメージが平手さんと重なるように見えてきました。

※ドラマ内では14.5インチのサッチェルバッグを着用

私は学生の頃から荷物が多く、電車の中で子どもに「お引っ越ししようとしてるの？」と言われたことがあるくらい。パソコンで写真のレタッチをするので、13インチのMacBook Proが入ることは私のバッグに必須の条件です。そこで、サッチェルバッグのサイズを16インチにしました。普段は、パソコンの他に、打ち合わせの資料や企画書、チェックするためのプリント、商品サンプル、ポートフォリオ、フィルムカメラなどを入れていて、バッグがパンパンにふくらんでいます（笑）。

今まで長く使っていたリュックは、ナイロン製だったんです。サッチェルバッグは本革なので、フォーマルな格好にも合わせられます。バッグに高級感があると、他のアイテムもそれに引き上げられ、良いものに見えてくる気がします。経年変化で味が出てくるのも楽しみです。

転機となった街・ニューヨークに合うネイビーという色

ネイビーを選んだのは、ニューヨークの街に似合うから。写真学校に留学したニューヨークは私にとって特別な場所です。ネイビーは黒に近いけれど、黒とは違って彩度がある。ブリティッシュ系のクラシックなスタイルにも合わせられるし、反対色の黄色をもってくるとスポーティーにもなる。多面的な顔をもつ色だと思います。

私は普段、かっちりしたシャツを着ることもあれば、カジュアルなパンツを着ることもあり、いろいろなファッションスタイルを楽しんでいます。それらにフィットするのが、ネイビーのサッチェルバッグなんです。

写真を始めたのは、プロモーションの会社で働いていた時に、「自分で撮ってみたら？」と社長に言われたことがきっかけです。最初はコマーシャルフォトとして食品やお酒のボトル、カクテルなどを撮ることが多く、ここで写真の基礎を学びました。朝から晩まで撮影の毎日。目の前のことにひたすら取り組むことが、次につながると実感したのもこの時期です。

撮影の経験を重ねていくうちに、だんだん「自分は写真家としてどうありたいのか」ということを考えるようになりました。そんな中、世界各国をまわる撮影でニューヨークに行く機会があったんです。ジョン・F・ケネディ空港に降り立ったのは、ちょうどNYC プライドパレードが行われていた日。自己を肯定し、思い切り開放する人々の姿を見て衝撃を受けました。この街で写真を学びたい。そう思い、後日改めてニューヨークの写真学校に留学しました。

写真で女性の可能性を拓き、エンパワーメントしていきたい

ニューヨークでは、「トップモデルになりたい」「女優として活躍したい」と夢に向かってがんばっている女性を撮影する機会が多くありました。そのうちに、「美奈に撮ってもらった写真でオーディションの1次審査に受かった」「美奈の写真が有名なエージェンシーに所属するきっかけになった」といった声をもらうようになったんです。一枚の写真で彼女たちの未来が拓けることがあるのだ、とうれしく思いました。

そこから、私の写真のコンセプトは『女性のエンパワーメント』になりました。日本に帰国してからは、引き続き夢を追う女性のポートレートや、母と子のポートレートなどを撮影しています。そして、昨年からはファッションポートレートやアバター、NFT作成などweb3を活用して世界中の女性の活躍を応援するMA3.0というプロジェクトを始めました。

アバターの衣装はアバターのモデルとなった本人の思いやアイデアが詰まっています。「美少女図鑑AWARD 2022」グランプリ・菅原夕亜さん（福島美少女図鑑）は、「地元福島と蝶々のように美しく輝いて世界に羽ばたく」という思いを込めて、ヘッドアクセサリーやオブジェを考えてくれたんです。制作過程ですばらしいアイデアがたくさん出てきて、夕亜さんの中に眠っていた可能性が花開いていくのを目の当たりにしました。

2023年にはこの取り組みを法人化して、社長に就任しました。世界中の女性に勇気と自信を与えられるプロジェクトに育てていきたいです。