Vol.4
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サッチェルバッグは背負うと形の良さがよくわかる。

ミュージシャン永原 真夏

ギターレスバンド「SEBASTIAN X」のボーカリストとしてデビューし、現在では「永原真夏+SUPER GOOD BAND」をメインにピアノユニット「音沙汰」としても活動している永原真夏さん。楽曲の作詞作曲を手がけるほか、グッズの制作やZINEの発行などマルチな才能を発揮しています。

 

そんな永原さんが愛用しているのは、白のサッチェルバッグ。普段から白いアイテムを身につけることが多く、目に止まったのがこのバッグでした。ガーリーな衣装やかわいらしい顔立ちからは想像つかないパワフルなパフォーマンスが魅力の永原さんに、ファッションや音楽についてうかがいました。

白い革のリュックは、めずらしいなって。

革のリュックが欲しかったんです。リュックがいいのは、両手が使えるから。しかも白いのがよかった。そうすると、なかなかなくて。サッチェルバッグはすごくたくさんの色から選べるので、「白がある!」と思ってこれに決めました。掛けるよりも、背負ったほうがこの形のオリジナリティがよく出ると思っています。

普段はハンカチや化粧品、お財布、携帯、本なんかを入れてます。14.5 インチの大きさだと、だいぶ余裕がある感じ。昨年の秋に、このカバンを持って宮崎の親戚のところにお墓参りに行ったんですよ。いつものアイテムに追加して、服やスキンケア用品も入ったので、これ一つで行きました。このバッグとはもう、一緒に線香の煙をあびた仲です(笑)。

もともとレースやフリル、ワンピースなどのかわいい服が好きだったんですけど、髪をばっさり切ってからは、男の子っぽい格好もはまるようになりました。今日もサスペンダーなど、ちょっとボーイッシュな感じを取り入れています。

 

どんな格好も変じゃない。そう教えてくれた古着屋さん。

今日の服は、古着なんです。古着は、古着屋さんでアルバイトをしていたときからずっと好きです。そこは、アメリカから買い付けた古着を売っている店で、個性的なファッションを楽しむ人がたくさん来ていました。例えば、アメリカのパジャマやチャイナブラウスなどを、日常のファッションに取り入れてちゃんと着こなしていたり。服が好きな地方の高校生が、わざわざ東京のその店を目当てに来てくれることもありました。

 

その古着屋さんで働いたことで、ファッションにおいて「◯◯には◯◯を合わせなければいけない」みたいな枠が、取り払われた気がします。お客さんもスタッフもみんな、「おしゃれを楽しむぞ」というパワーに満ち溢れていて、いるだけで元気になれる職場でしたね。

こうやって話している感じと、ライブミュージックビデオの感じが違う、と言われることがあります。でも、自分ではあまり違うと思っていないんです。ライブの前も、声出しや精神統一などはしません。着替えて、化粧して、舞台に出ていくだけ。それなのに、違うと言われるのはなぜなんだろう。

 

見た目と好きな音楽は、リンクするものじゃないでしょう。

もしかしたら、ロックの根底にある反骨精神みたいなものが、関係しているのかもしれません。ハードコアやパンクが好きでバンドを始めたのですが、いわゆる「バンドをやっている子」っぽいファッションや立ち振舞いはしたくなかった。最近のバンドは、Tシャツにジーパンというラフなスタイルでライブをする人も増えています。でも、そこにもちょっと逆らいたい。だから、自分はゴリゴリの衣装っぽい服でやっていこうと思っています。

 

「こういう外見だから、こういう音楽をやっている。聞いているだろう」という決めつけは、もう古いですよね。地味な見た目の子がハードロック好きだったり、Bボーイっぽいファッションの子がフォークを聴いていたり。メタルTシャツを着ている長髪のおじさんが、アイドルのライブを目一杯楽しんでる、なんていう光景も見たことがあります。そういう多様性があるのが、音楽のすばらしいところ。もっと自由でいいんです。

 

どんどん、いろんな嗜好がボーダレスになってきている気がします。今はSNSなどで人の生活が見えるようになって、好きなものについてみんな発信するようになりました。誰がどんなものを好きでも、もはや意外じゃない。私自身も、ガーリーな衣装でがんがんシャウトして、固定概念を打破していきたいですね。

ミュージシャン

永原 真夏さん

東京都出身。2008年に、高校の同級生とバンド「SEBASTIAN X」を結成。ボーカルを担当し、作詞作曲もおこなう。2015年7月からソロ活動を開始。ライブは「永原真夏+SUPER GOOD BAND」名義。「SEBASTIAN X」のキーボード・工藤歩里との弾き語りユニット「音沙汰」としても活動している。2018年3月に、ファーストフルアルバム「GREAT HUNGRY」をリリース。そのリリースツアーのファイナルワンマン公演DVD「GREATEST HUNGRY」を9月に発売。