意外となかった、くすみピンクのニュアンスカラーバッグ。
スタイリスト二宮 梨緒
『LARME』、『bis』といったファッション誌や、IZONEなどのガールズグループのミュージックビデオ、新宿伊勢丹や渋谷109などの広告のスタイリングを手がける二宮梨緒さん。ガーリーでポップな世界観が魅力のスタイリストです。
取材時は妊娠9ヶ月で、産休中にお話をうかがいました。
そんな彼女が選んだザッチェルズのかばんは、ローズクォーツのシュガーキューブ。私服に合わせて選んだというくすみピンクのバッグは、二宮さんの手がけるスタイリングにも合いそうです。
手持ちすれば、セミフォーマルなスタイルにも
ザッチェルズはサッチェルバッグが有名なので以前から知っていました。スタイリストとしての仕事用カバンが大きいので、自分で持つならサッチェルバッグではなく、2個持ちするための小さめバッグが欲しいなと思っていました。それで、シュガーキューブを選んだんです。
このシュガーキューブは、マチ(奥行き)がしっかりあるから、小さく見えて容量が大きい。間口が広く、物を出し入れしやすいところもいいですね。ケータイ、お財布、ハンカチ、ミニポーチ、アルコールジェル、鍵などを入れています。薄いアウトポケットは、カードなどを入れるのに使っています。これがけっこう便利なんです。革製なのに軽いから、たくさん物を入れても重くありません。
いつもは肩がけして使っていますが、ショルダーストラップを外してハンドルを持つのもかわいいですよね。ミニバッグとしても使える。手持ちしたら、少しフォーマルなシチュエーションにも合うと思います。仕事柄、レセプションパーティーなどに参加することもあるので、財布やハンカチなどのほかに名刺もしっかり入れられるのがうれしい。クラッチバッグだと、あまり物が入らなくて困るんですよね。
スタンダードな形は、ガーリーにもカジュアルにも合わせられる
色はローズクォーツを選びました。普段、白やベージュの服を着ることが多いので、それに合いそうだなと。肌なじみの良いくすみピンクのバッグって、意外とないんですよね。もう少しブラウンやベージュに近い色はあるんですけど。このローズクォーツは絶妙なニュアンスカラーだと思います。季節も問わないし、使いやすい。
もし、私がこのバッグで雑誌のページのスタイリングを考えるとしたら、これ一つでガーリーにも、クールにも見せられる、というのを打ち出すかな。スカートで甘めのスタイルに合わせたあと、マニッシュなパンツスタイルに合わせてみる、とか。同じバッグでもぜんぜん違う雰囲気で持てることが表現できれば、いろいろな人に興味を持ってもらえますよね。
私服のコーディネートとしては、ワンピースやサロペットに合わせて持つことが多いですね。シュガーキューブは形がスタンダードなので、カジュアルなスタイルからガーリーなスタイルまで、幅広く合わせられると思います。
スタイリストとして独立した頃はストリート系のファッション誌でスタイリングすることもあったのですが、最近は専らガーリーなスタイルを求められることが多いです。個人的にも、甘めのスタイリングが好き。得意分野というのは、仕事を続けるうちに自ずと定まってくるのかもしれません。
撮影したページの出来上がりがよいと、苦労が報われる
撮影したら、頭のなかで「こういうスタイリングにしよう」と想像していたものよりはるか上の仕上がりになったとき、スタイリストとしての醍醐味を感じます。それは私だけでなく、モデルさんやヘアメイクさんなど皆が力を出し合うことで、初めて成り立つものです。
一番苦労するのは、コーディネートした服を集めること。イメージ通りのアイテムがなかなか見つからないときもあります。借りたいブランドが展示会中だったり、目当てのアイテムが他のスタイリストさんに借りられていたりすると、もう大変。知り合いに聞いてみたり、お店を一軒ずつ見てまわったり、なんとかして集めます。それでも、仕上がりがよいとその苦労が報われる気がしますね。
数年前に、ヘアメイクさんやエディターさんと一緒にZINEを制作して販売したことがあるんです。ZINEもそうですし、ファッションアイテムをデザインしてポップアップショップで販売するなど、また自分の世界観を作品として表現するような活動をしたいですね。
ガーリーなテイストが好きなのは変わらないのですが、近年は結婚や妊娠などライフステージの変化もあり、より落ち着いた色味やシンプルな形を好むようになってきました。今そうした作品を作ったら、もう少し大人な表現ができるのではないかと思っています。
スタイリスト
二宮 梨緒さん
1987年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部を卒業後、渡仏。帰国後、2010年からスタイリストの曽山絵里、遊井美紀に師事。2014年からフリーランスのスタイリストとして活動。ファッション誌や広告、スタイルブックなどの撮影で活躍する傍ら、ファッションアイテムのプロデュースやZINEの出版などオリジナリティを活かした作品発表もおこなっている。