モノトーンに、原色のグリーンが映える。
音楽ライター・DJ多屋 澄礼
音楽ライターやDJ、翻訳家、雑誌のエディターなど多岐にわたって活動する多屋澄礼さん。
女性によるDJチーム「Twee Grrrls Club」を率い、海外アーティストの来日公演を企画するなど、持ち前のセンスを活かし、日本の女子に向けてイギリスを中心とした海外の音楽、カルチャーを紹介してきました。最近ではレコードショップであるディスクユニオンの「Girlside」のショップディレクションを手掛けています。
そんな多屋さんは、2018年に双子を出産。子育てに奮闘する中、数年前に購入したサッチェルバッグの他、新たにマイクロサッチェルを手にしました。
子どもを産んで、サッチェルバッグと再会した
ザッチェルズのサッチェルバッグに出会ったのは、4年ほど前のこと。
10代の頃からイギリスのカルチャーや音楽が好きで、イギリスのファッションにアンテナを張っていたら、サッチェルバッグの情報が入ってきたんです。周りも似たような嗜好の人が多く、その頃知り合いの間で黄色やパープルなど、カラフルなサッチェルバッグを持つのが流行ったんですよ。
私はサッチェルバッグのスクールっぽい雰囲気が好きだったので、より学生鞄のように見えるマルサラレッドを選びました。
それから数年。2018年に子どもが生まれて、大きいバッグと併用するための小さいバッグが必要になりました。
子どもを抱っこしていても、さっと財布などが取り出せるサイズ感と斜めがけしてちょうどいい紐の長さ。それを満たしているのが、マイクロサッチェルだったんです。
サドルバッグもかわいいのですが、やっぱりザッチェルズといえばサッチェルバッグかなと。ブレザーやシャツなどのアイビールックぽいファッションが好きなので、それに合うのもいいなと思いました。
クラシックなアイテムに、ビビッドな小物を合わせる
色は悩みましたね。黒はたしかに合わせやすいんですけど、ちょっとつまらない。普段は、モノトーンの服を着ることが多いので、差し色となるビビッドカラーのバッグが欲しいという気持ちもあったんです。そこで、このグリーンを選びました。
パステルっぽい色だとラブリーになってしまうけれど、原色はポップな感じでかわいい。スタイルが甘くなりすぎないように気をつけているので、このグリーンの色味はちょうどいいなと思いました。リアルレザーなので、カラフルだけどチープに見えないのもいいですね。使い込んで皮がやわらかくなっていったら、もっと魅力が増すはず。
使ってみると、白いシャツなどのクラシックなスタイルや太めのデニムなどカジュアルなスタイル、ガーリーなワンピースなど、何にでも合うんですよ。最近は毎日のように持ち歩いています。
こういう原色の感じは、ロンドンのジュエリーブランド「TATTY DEVINE」にも通じるものがあります。TATTY DEVINEはポップなアクリル製のネックレスやブローチが人気のブランド。髭モチーフのネックレスを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
イギリスの女性は、ポップでビビッドな色の、しかも個性的な小物を、ヴィンテージのクラシックなアイテムに合わせるのがうまいんですよね。そういうの、憧れます。
長く愛される、アナログなものがずっと好き
私、子どもの頃から好きなものが変わらないんです。イギリスのファッション、雑貨、音楽が好きで、人の手で作られたアナログなものに惹かれる。仕事もずっとそれに関連したことをやっています。洋楽の歌詞の翻訳をしたり、レコードでDJをしたり。子どもが生まれてからは、海外の雑誌の編集部でウェブコンテンツのエディターをしているのですが、そこでもファッションなどの記事を担当しています。
子どもは双子なんです。ものすごくかわいくて、めちゃくちゃ大変。最近は二人とも文庫本のカバーを破るのにハマっているみたいで、私のレコードがいつ標的になるか戦々恐々としています。
子育てが落ち着いたら、クマのぬいぐるみ作りを本格化させたいですね。昔から、趣味でクマのぬいぐるみを作っているんです。イギリスでは男の子も女の子も、小さい頃は自分だけのクマのぬいぐるみを持っていて、大事にしているんですよ。私もそういう、愛されるクマを作っていきたいなと。ヴィンテージのファーを集めて、世界にたった一つだけのクマを作るとか、そういうことをやってみたいです。
さて、いつになったらそんな時間ができるかな(笑)。
音楽ライター・DJ
多屋 澄礼さん
1985年生まれ、ロサンゼルスや東京で育つ。音楽ライター、DJ、翻訳家など。2009年に女性によるDJチーム「Twee Grrrls Club」を結成し、同年にレーベル&ショップ「Violet And Claire」をオープン。2018年11月、双子を出産。著作に『Female Complex(彼女が音楽を選んだ理由)』、『インディ・ポップ・レッスン』などがある。
伊勢丹新宿店 Isetan Girl フロアの選曲や、ディスクユニオンのニュープロジェクト「Girlside」のショップディレクションなども担当。