Vol.6
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絵を描く道具も楽々入ります。

画家・イラストレーター雪下 まゆ

小さい頃から絵が好きで、美大生時代に描いたイラストをネットにアップし始めた雪下まゆさん。SNSで人気を博し、今は画家・イラストレーターとして活躍しています。

最近では、クリープハイプ「泣きたくなるほど 嬉しい日々に」のトレーラームービーや、MILBONの原宿駅ジャックのポスターやムービー、小説の装丁など、彼女の絵を見る機会がどんどん増えています。

 

そんな雪下さんが選んだのは、デジタルのお絵描き道具が余裕で入る、大きなサイズのサッチェルバッグでした。

15インチのiPadとスタンドがあれば、どこでも絵が描ける。

ザッチェルズのバッグに初めて出会ったのは、大学4年のとき。

ラフォーレ原宿のハヤカワ五味さんのショップ。ハヤカワさんとは、多摩美術大学のグラフィックデザイン学科で一緒だったんです。サッチェルバッグのかたちが可愛いなと思いました。

 

お店にあったのは通常サイズでしたが、私が今使っているのは17.5インチの一番大きなサイズ。外出先で絵を描くために、MacBookとペンタブレットを入れたかったからです。今は15インチのiPadとスタンドを入れています。それくらいなら余裕で入るから頼もしい。出張のときも、サッチェルバッグに作業道具と着替えなどの宿泊用具を全部入れていました。

ザッチェルズのバッグは、サイズのバリエーションが多いですよね。今は、小さなシュガーキューブがほしいです。それを肩掛けで使いたいなと。友達がピンクを使っていて、いい感じなんですよ。でも自分で買うならやっぱり、黒かな。

 

洋服も黒が多いです。髪の色が派手なので、洋服も色物だと派手すぎるかなと。ファッションやヘアメイクなどは、何かひとつこだわりがあるスタイルに憧れます。その人らしさが、こだわりによって表れているような。

 

でも、私は飽き性なので、髪の色もファッションの方向性もどんどん変わってしまうんですよね(笑)。今はシンプルなスタイルがいいなと思っていて、髪も黒や茶色にしたくなってきました。

 

絵のモデルの多くは友達。「かっこいい」と思った瞬間写真を撮る。

小さい頃から、ずっと絵が好きです。特に人の絵を描くのが好き。高校のときはよく、授業中に前に座っている人をデッサンしていました。それで、「ちゃんと授業を聞きなさい!」と怒られたりして。

そんな感じなので、美大に進むのは私にとっては自然な選択でした。大学生の時からネットに絵をアップしたりして、お仕事の依頼をいただいたりして、なんとか生活できるようになったタイミングで卒業。画家・イラストレーターとして独立したんです。

 

じつは、就職活動で1社受けてみたんですよ。でも三次面接で落ちて、「もう就職は無理だ」と諦めてしまいました。落ちてすぐ、「絵で食べていくために、出来ることはなんでもしないと」と、講談社主催のオーディション「Miss iD」に応募しました。このオーディションは一芸みたいなのも評価してくれるんです。

でも、自分自身が表に出ることはそんなに得意ではなくて。絵を見ていただくきっかけになるならいいかな、という気持ちでした。

 

女の子の絵を描くことが多いので、「絵のモデルは自分なの?」と聞かれることもあります。でも、ほとんどは友達なんです。友達と飲んでいるときに、「この構図かっこいい」と思ったらフィルムカメラで撮影する。そして、その写真を見て描く。

 

最近は、写真を撮るという行為が主体なのかも、と思うんです。写真撮影を生活のなかでおこない、それを現像して「あ、これいい」と思ったら絵にする。創作意欲が、写真を起点にして生まれていると感じます。

 

音楽や本、映画、アニメーション……やりたい仕事がたくさん。

写真が主になってきているからか、絵のトーンもどんどん写実的になってきています。でも完全に写実ではなくて、どこかイラストっぽい。

 

先日、描いた絵に写真をかさねてみたんですよ。そうしたら、どの絵も同じような比率で少し目の位置が下がり、大きくなっていることがわかりました。自分のなかで「こういう顔がいい」という黄金比みたいなものがあるんでしょうね。それが、写実的なトーンとイラストっぽさが混ざり合う、私のテイストにつながっているのかもしれません。

 

最近は、仕事で依頼された絵を描くことも多く、それがとても楽しいんです。小説の装丁をずっとやりたいと思っていて、その願いは昨年、尾崎世界観さんと千早茜さんの共作小説『犬も食わない』で叶いました。音楽の仕事や映画の仕事もやりたいんですよね。

 

仕事の絵だけでなく、作品としての自分の絵ももっと描いて個展を開きたいというのが直近の夢です。海外で展示もしてみたい。好きな絵を仕事にできて、やりたいことがたくさんあって、幸せです。

雪下 まゆさんのバッグ

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画家・イラストレーター

雪下 まゆさん

1995年生まれ、2018年多摩美術大学 グラフィックデザイン学科卒業。デジタルと水彩画の両筆で、インスタグラムツイッターなどのSNSの上に、どこか心にチクリと刺さる作品を発表している。ギャラリーでの個展だけにとどまらず、ファッション、クリエイターとのコラボ、雑誌などへのイラスト提供多数。今、各界から注目を集めるイラストレーター。